好きになるまで



そう言われて、恥ずかしくて、
何も言えないでいる私の手を
強引にひいていく。


いつものあいつじゃない。


ちょっと暗くて
誰にも見えないところで
手が離された。


どうしていいか
わからないでいる私に
ゆっくり近づいてくる。


顔が近い。


とっさに目をつぶると
唇にやわらかい感触が伝わる。