ミウの死の前後は、記憶がはっきりしない。 思い出そうとすれば、息苦しくなり視界がぼやける。 ひどい時には、意識も失ってしまうほどで。 けどそれでも良かった。 もう何も考えなくてすむ。 現実はいつも、つらすぎた。 ミウが死んでから、パパとママは壊れたように笑顔を失ってしまった。 わたしも心をなくした人形みたいに、ただ日々を過ごした。 心も身体も、ズタズタに引き裂かれるような気がした。 何をしても、何を聞いても何を見ても、無意味な気がして…。