「朔......」


朔の代わりの存在などない、


誰にでも大切なもののひとつやふたつはある


十六夜と朔に限らず誰にとってもその大切な存在に代わるものはない




朔が息をひきとったときのことを思い出しているといつでも、どんなに時が流れていようとも涙は止まらない




頬に涙を一筋、月明かりに照らされて静かに泣いていた



そして縁側の太い柱に隠れて天堂、そして琉威たちが十六夜の横顔を見ていた...