十六夜さんはあれからその"弟"の話をもうしてくれなかった



もう辛気くさい話は終わりにしようね、と土地神を抱いて立ち上がり広間を出てしまった


思い出したくないなんだろうな、当たり前だけど



「十六夜さん、弟さんが居たんだ...」


「軽く聞きすぎたな」


「女神は確かに姉ちゃんて感じがするけど」


「......今はそっとしておこう」




十六夜さん、大丈夫かな


そういえば十六夜さんの過去を全然知らない


弟が殺されたこととか白夜叉のことくらいしか





まさか、白夜叉って呼ばれてるのは弟が殺されたことが関係してるのかな



一人でもやもや考えてると



「帰ったぜぇ」


天堂さんが帰ってきた