「そうか、よかったな」
「ありがとう…」
笑った獅蛇に十六夜も微笑んだが獅蛇は気になることを一つ聞いた
「その相手ってのは?」
「ん?天堂さんって方…」
十六夜は名前を出すだけで恥ずかしいのか頬を染めて俯いて笑ったが、獅蛇は違った
「本当かよ…」
天堂と言えば一人しかいない。あの男だ。百鬼を統べている総大将、天堂
まさか、あの男と……
「獅蛇?」
何も言わない獅蛇を不思議に思った十六夜は声をかけた
「あ、あぁ………まぁ幸せになれんならよかったわ」
獅蛇はあの性格。だからあまり友達と呼べるようなやつはいない。だが十六夜は別だった。こんな性格の自分と一緒に居てくれる、それは"本当の友達"だ
十六夜はしばらく独りだった。そんな境遇をもつ友達がやっと幸せになれるのだ
こんなに嬉しいことはない
「ありがとう」
十六夜もまた、獅蛇と一緒に居ることが出来て嬉しいのだ。こんなに爽やかなひとはいないのだ
獅蛇が十六夜の幸せを思うように、十六夜も獅蛇の幸せを願っている

