身体が痺れて立てなくなった
どうやら麻痺性の神経毒のようだ
身体が動かず抵抗する力も無くなり妖怪に担がれ運ばれていった
それを見た雪梛は震える足を叩き、足が縺れて転びながらも天堂のところまで走った
「あー…十六夜に会いてぇな…」
庭の桜の大樹の枝に方膝を立てて座っている天堂は太い幹に背を預けて微笑んだ。そのときの顔を飛んでいるたくさんの百鬼に見られて茶化される
「総大将、にやにやしてる。顔が赤くなってるし~」
「顔が締まってねぇよ!」
「でも確かに十六夜様は美人…それ以上の言葉を教えて欲しいくらいだぜ。あの一つ一つの動作…歩く姿、座ってる姿、微笑んだ顔、指先とか細かい部分の動きもしなやかで…たまらんな~」
それを聞いた天堂は眩しいばかりの笑顔になった。想いを寄せている女のことを褒められれば誰だって嬉しい
「そうじゃろ?十六夜以上の女は後にも先にも現れねぇな。よく声かけたなぁ、ワシは!」
さらにのろけだした天堂を見て百鬼たちは悪い笑みを浮かべていた

