「十六夜様、本当にありがとうございました」


「本当に助かりました」


鳶雄が残っており十六夜のところまで飛んできて烏丸と頭を下げた


「よかった。もう安心ね…鳶雄さん、身体は大丈夫?」


「はい、十六夜様の作戦で猫族も攻撃してくることはありませんでしたから」



十六夜の作戦……



十六夜は両族の中にたくさんの狐が変化して紛れ込んでいると分かっていた


そのため狐たちも夜には狐の頭のもとへ帰るためその隙を狙って、両族の頭に狐が紛れ込んでいると説明した



あらかじめ仲直りさせて戦をおこしあたかも戦っているように見えた


そして戦でうまれる噴煙に上手く隠れ逃げ、高みの見物をする狐をあぶり出す



狐が逃げたころを見計らって虎と烏丸が声をかける、戦っているふりをしていたためすぐに命令は伝わった



そして十六夜が現れ――――




といったものだった



「本当にお恥ずかしい、一族にそのような輩が紛れ込んでいるとは知らずに…」


項垂れる烏丸と鳶雄に十六夜は笑って言う



「仕方ないよ、狐たちの変化は完璧だったからね」



「では、何故十六夜様は分かったのですか?」