桜の大樹に座って目を閉じ、口に葉を当てている女が居た 音源はあれだろう だがあの女……… 確証は無いのに五年前の女だと分かった 何故だ、と聞かれると分からない 白銀の長髪、黒い着流し、鈴の耳飾り 現代ならばその姿は不思議だがこの景色には溶け込んで自然であった 草笛を吹いているその姿に見惚れていると強い風が吹いた 「っ!」 風の強さに閉じた目を開けるとそこには……もう姿は無かった 慌てて辺りを見渡すがどこにも居なかった あぁ……やはり幻だったのか これは神様がくれたチャンスだったのだ