「陰陽師、ってほんとにいんのかよ」


晴樹がびっくりしたように言う。当然だよな。今まで妖怪や陰陽師は物語だけだったから


「妖怪がいればいるのは当たり前です。対になる存在ですから」



対、か


それは陰陽師に限らず言えることなんだろうな



そんなことを考えながら十六夜さんを見るけどさっきと表情を変えてはいなかった




「最近土地神を殺しているんだよな」



「土地神って…」


「日本は古くから神やら聖域に縁がある国です。土地神は聖域に存在しています。その土地神がいることでその地域の安寧を保てています。しかし十六夜はその神を殺しています」



っ!!嘘、だろ


十六夜さんはそんなことしない。だって優しいもん…誰からも相手にされなかった幼い頃初めて出来た友達、母親みたいだけど…



人間とは違って法律とか無くて、自分の身は自分で守るしかない弱肉強食な世界。だから命の奪い合いもすることは仕方ないこと…それでも十六夜さんは無駄に命は奪わないよ




「...ほんとなの?違うよね?」


俺たちは真剣な瞳で見つめるのに十六夜さんは



「...」