春が近い頃、太陽の光が届きぽかぽかと温かく気持ちのいい日



十六夜は縁側に座って雪駄を脱いで足をぶらぶらさせている



だが飽きたのか、立ち上がり広い池の淵にしゃがんで一匹の大きい、黒い鯉に話しかける



黒い鯉は十六夜が旅の途中に出逢った鯉で、独りで寂しいと言うので連れて帰ることにしたのだ




しばらく談笑して別れを告げ次の行動に移る



次は台所で百鬼夜行の昼餉の支度に取りかかる



百鬼夜行は夜中で朝は遅いため、まだ起きていない本家は静かだ