「ぃーゃ、…いやっ」


「――観念しろ、ほら」


「ん"…」


「治らねぇぞ」



ずっと十六夜と天堂はこのやり取りだ



十六夜はたくさんの仔犬を庇って少し怪我した


仔犬たちは影狼の友達だった


仔犬はまだ十六夜たちの言葉を理解出来ず、たくさんいたら十六夜だって守りにくい



怪我した十六夜を看るため薬湯を飲ませようとする天堂


いやっの一点張りの十六夜



そんなやり取りを鼻をヒンヒン鳴らしながらはらはら見ているのは影狼


「影狼も心配してるぞ…十夜にも悪いだろ?」



心では分かっているのだが身体が拒否する


何せあの薬湯の材料が発覚したときの衝撃が忘れられない