「かわいいね」




よかった、この仔犬は危なくならずに済みそうだ



でもまだ違うけど妖怪なんだよね。いつ妖怪になるんだろう。見てみたい気もする



「妖怪としての力が出てくるまでここで伸び伸び暮らそうねー」





「あ、十六夜様。どうしたんですか?その犬」



十夜がやって来て、犬を不思議そうに見ていた




「さっき琉威たちが鳥居で拾ってきてくれたの。妖怪みたいだからここで一緒に暮らそうかなって、いい?」



「妖怪なんですか、まぁ十六夜様が決めたんなら皆何も言わないですよ」



名前はあるんですか、と聞きながら近くに座った



そういえば考えてないや、



「皆で考えようか、何がいいかな?」



皆からちび、豆助、柴、っていうありきたりな名前があがった



「俺は影狼がいい」


十夜が口を開いた



影狼、かっこいい名前だな。かっこよすぎるくらい…



「だって大きくなったら妖怪だろ?ならかっこいいのがいいだろ?」




十六夜さん、同意を求めてる