「あ、あの十夜」


「何ですか!?」


「毎日一杯……って、材料はあるの?」



「はいっ、大丈夫です!狼牙が採りに行――」



庭の方から鳴き声がして障子を開けると狼牙が何かを口にくわえていた



「狼牙、ありがとなっ!これでまた明日十六夜様の薬湯が作れるぜっ!」


十夜は持っていった壺にそれらを入れて戻ってきた



壺を覗きこむとそこには


百足、赤い茸、蛇、草がたくさん入っており、しかも百足と蛇はまだ生きている



「っ十夜…まさか今飲んだ薬湯って…」


琉威も分かったようで顔面蒼白


「ああ…これをすり潰して、百足と蛇の血を絞り出すんです」


平然と答えた十夜に


「何か、余計気分が……」


「十六夜様ーーーー!」


十六夜はさらに顔を蒼白くして目眩をおこし、吐き気を催しながら倒れた……