ある妖怪との戦いで十六夜は血を流して寝込んでいた



琉威は心配そうな表情で寝ている十六夜の横に座っている




「大丈夫?十六夜さん......」




「うん、少しくらくらするだけだから......」


蒼白い顔で笑う十六夜を琉威は心底心配している


ドタドタ


縁側を走ってくる音が聞こえたと思ったら障子が開いた



「十六夜様っ、これ飲んでください!」



十夜の手には湯飲みがあった


十六夜の背中を支えて起こし、湯飲みを手渡す




「これは?」

湯気が出ている湯飲みを覗きこみながらにこにこしている十夜に問う


琉威も湯飲みに何が入っているのかと興味津々で見ている



「薬湯ですっ」


「...十夜が作ってくれたの?」