璢美苓との死闘が終わって少ししたある日の昼下がり――


「なぁ、十六夜」


十六夜に膝枕をしてもらい、縁側で日向ぼっこ中の総大将、天堂





「暑いねぇ」

「相変わらずだなぁ~」

「総大将の助平!」



百鬼からはからかいなどの声が飛び交い、にやにやしたり呆れたりしながらも二人を優しく見つめている



「助平ってなんじゃ!夫婦だからいいじゃろうが......それより十六夜、温泉でも行って来い」



「どうして?」


「戦いもあって疲れただろ、行ってこい」


天堂は十六夜の療養も兼ねてゆっくりしてほしいと思っている


「でもあなたは行かないの?」


「ワシは百鬼夜行あるからな」


「なら行ってもつまらないですよ」


笑いながら少し目を逸らした十六夜


普段は綺麗で隙のない女、その反面儚いという印象が大きい十六夜