《あー…ゴホン。見えるか?》


ラガーがワザとらしく咳払いをして、私に手を振る。


「え、えぇ…まぁ、一応」


《んじゃ、シローの部屋に来てくんねえか》


「え?」


《なんでも、フィーネさんが話するから集めてって》


……話?


一体何だろう。


さっき話したばっかりだけど。


《俺の勘では、たぶんトップシークレットかな…》


画面の中にいるラガーが顎に手を置いた。


……トップシークレット?


「なんでそんなこと、私たちに?」


《さぁ?それは分かんねえけど、とりあえずシローの部屋来いよ》


「あ、はい。分かりました」


腕を組んで考えてみる。


……一体何だろう。


《もー…なにやってんだよ、お前らー》


と、不意にギルの心底呆れた声が端末の方からした。


見てみると、ラガーはどうやら通信を切るのを忘れていたらしい。


まだつながっている。


《こんのダァホッ!!!ジルなんか大嫌いだぁぁあ!!!うあぁああん!!!》


泣いているようなアルの声が聞こえる。


いや、泣いているのか。


そして彼女はそのままジルの胸にダイブする。


「………………………………」


……こ…言葉と行動が合ってない…。


《なにしてんねん、お前ら。あ、おい、ジル。嫁はん泣かしてどうすんねん》


そして何故かヨースケの声が。


《え、うわこれ何事?部屋汚。ていうか、アル煩い。頭に響く。誰かさんが強くやったせいでさ》


《あ、ごめん。そんなに痛かった?》


何故かリャノの声も。


よく見ると、入り口からヨースケとリャノが入ってきていた。


……ということは、彼らもフィーネさんに呼ばれた?


《あ、ジル。これ以上、障子破んないでよ。貼るの大変なんだから》


シロさんがわんわん泣いているアルをなだめているジルに言う。


《んじゃ、破れたヤツで遊ぶぜー!!!ふんっ》


-----バリッ


《おいギル、破んなハゲぇ!!!貼るの大変なんじゃって言ったろうが馬鹿もん!!!》


《いったぁ!!!》


ギルが障子に穴をあけ、ヨースケがベシッとギルの頭を叩く。


「…………………………」


なんなの、これ。