友人と会話を交わしながらふとポケットに手を伸ばすと、そこにあるべきはずの携帯が見付からなかった。 「部室に携帯忘れたみたい! 先に降りてて」 私はそれだけ告げると、了承の意の言葉を背に、今降りてきた階段を駆け上った。 二階分の階段を一気に駆け上がり息を整えながら、先ほど出たばかりの部室へ向かう。