「ごめんな、結城のことは可愛い生徒にしか、見られない」 今年の春に大学を卒業してから、働き始めた高校。 そこで、三度目になる告白を受けた。 俺に気持ちを伝えてきた女子学生――結城は、目に涙を浮かべながらも笑顔でこの場を後にしていく。 「はぁ……」 自然と溜め息が出る。 賢い教師ならば、上手い断り方を……否、恋愛感情を抱かせないような振る舞いを出来るのだろうか。