〜氷〜

「やぁ、円満の中悪いねぇ。お邪魔させてもらうよ」
「おぉ!宇宙!!待ってたぞ。この者が、8つの根源のうちの一つ、氷の郡山 瑞生だ」

いつの間になら現れた髪の長い男。その男に対して、好意的に私を紹介する帝。

ただ、この男の発する気が、私にとっては、恐怖以外のなにものでも無かった。

「大丈夫か?」

それを見かねたのか、私に声を掛けてきた綺斗。

「大丈夫です。すみません…」
「あの人は、星越 宇宙。宇宙って書いて、ソラと読むらしい。ただ、本人曰く、初対面の者に対してあまり好意を抱かない為に、宇宙の発している気に対して恐怖を感じてしまうんだ。それが当たり前だ。瑞生は泣かなかっただけ良いさ。」

至極当然の様に教えてくれる綺斗。
綺斗は、宇宙が恐ろしくないんだろうかーーー。

ーーー親切に教えてくれるなぁ…

「よしッ。始めようか。」

いきなり私の肩をつかんできた宇宙。


「えぇっと…始めるって、何を??」
「なに、ちょっとした占いみたいなものさ。瑞生は座ってるだけでいいから。」


そういって宇宙は、“占い”を始めた。