「さぁアキ、毛布から出てきてください」

「やだ…」

「困った人ですね」



ラヴはそう言って小さく溜め息を吐くと、ベッドから立ち上がる。




「…ラヴッ!!」



ラヴが部屋から出て行ってしまうと悟ったアキは、勢いよく毛布を剥いだ。


毛布を剥ぐと、目の前にはラヴの顔。




「引っかかりましたね、アキ」


ラヴはにんまり笑う。




「…!!ラヴなんか知らないっ」



顔を赤くしたアキが再び毛布を被ろうとすると、ラヴはそれを阻止した。




「アキはとんだ強がりさんですね。そんな所も好きですけど、素直なアキはもっと好きですよ?」



微笑みながら呟くラヴとは裏腹に、アキは口を尖らせながらそっぽを向く。



そんなアキの姿に笑いながらラヴは両手を広げる。




「ほら、アキ。おいで」

「…ッ!!」



アキは顔を真っ赤にしながらラヴの腕の中に飛び込んだ。


アキはラヴの胸に顔を擦り付ける。




「素直なアキは世界一可愛いです」



ラヴはアキの髪を撫でながらアキを抱きしめる。



「…ラヴ…好きだよ」

「私もです」



ベッドの上で抱きしめ合う2人を、ドアの隙間から子ども達は覗いていた。




「やっぱりバカップルだよな」

「だね。ラブラブだねぇ」

「アシュリー、カップルじゃなく夫婦だって」

「黙れ、サミュエル」




2人の世界に入っているラヴとアキが、子ども達に覗かれている事に気付くのは数時間後であった。