「ラヴ、今日の空はあたし達の結婚式の時の空みたいね」

「そうですね。青が突き抜けていて綺麗です」



子ども達の声が響くホワイトガーデンの庭で、ラヴとアキは丸まった背中を寄せ合っていた。



青が一面に広がる空に、白くなった2人の髪の毛が雲のように浮かぶ。




「風が強くなってきたから中に入りましょうか、ラヴ」

「はい、そうしましょう」



ラヴとアキは手を繋ぎ、ゆっくり歩きながら施設の中に入っていった。




「ラヴ!ママ!お体は大丈夫ですか?最近寒い日が続いていますから、風邪など引かないように気をつけて下さい」


「大丈夫よ、キズナ。あなたはいつまで経っても優しいのね」



キズナはしわしわになったアキの手を握る。




「…大丈夫よ。そんなに心配しなくても。……もう“休む時間”ですから」



アキのこの言葉にラヴが穏やかに微笑んだ。



キズナはこの言葉の意味を悟った。