当の本人は男子の話にも女子の話にも興味を持たなかった。



キズナはアキと出会う前のラヴのように、他人に興味を持たず孤独を受け入れてしまっていたのだった。




「キズナ君、私と付き合って下さい」

「すみません。私は誰とも付き合うつもりはありません」



毎日のように告白されるキズナだが、柔らかい笑みを浮かべてはいるが冷めた表情で断り続けていた。




「お前さ、誰かと付き合った方がいいんじゃないか?そうした方が周りも何も言わなくなるんじゃ…」



学校からの帰り道、友人はキズナに呟いた。




「心配してくれてありがとう。でもいいんです、私は」




キズナがまだ中学生の頃。

ある出来事があった。



それが彼に人を受け入れなくさせていた。