「……レオン」

「ぎゃははは!ん〜?」



レオンが涙を拭きながらアシュリーを見ると、アシュリーは達也の目を手で隠しながら、鬼の形相でレオンを睨みつけていた。




「ごめんなさい」



レオンは寝ころんでる体勢を変えると、土下座をした。



「優しいね、アシュリー。達也くんに睨んだ顔見せないようにするなんて」

「また鬼って言われっからな。…てか何なんだよ、こいつは!?」



アシュリーが達也を指差すと、アキはあぁ!!と言った表情をする。




「近所の子だよ。達也くんのお母さんが急用で出掛けてるから、帰ってくるまで預かってるの」



アシュリーはふ〜んと相槌を打つと、テレビに夢中の達也の頭を撫でた。




「アシュリー、パパみたいね」

「うん♪老けてるから余計そう見える」

「…レオン、後で覚えてろよ」



再びアシュリーに睨まれたレオンは、笑いながら部屋へと入っていった。




「達也くん、おやつ食べる?」

「たべる〜♪あちゅりも、いっしょにたべよ」



アキがおやつのクッキーを運んで来ると、達也はクッキーを2つに割り、半分をアシュリーに渡す。



「はい、どうじょ。あちゅりのぶんね」



アシュリーはクッキーを受け取ると優しく微笑んだ。