何処に行く宛てもなく、ラヴはただ街をぶらぶらと歩いていた。



「アキは私と子ども達がいない時間をどうやって過ごしているのでしょう。1日中、家事をしているのでしょうか」



街を歩いていてもラヴの気は晴れず、ラヴはそのまま家へと帰った。




「…アキ、寂しいです」



家に帰っても、いつも掃除をしたり洗濯を畳んでいるアキの姿はなく、家中に漂う焦げた匂いもアキの鼻歌も聞こえない。



静まり返った家は、ラヴを闇に吸い込んでいく。





ラヴはアキの自室に向かい、アキの匂いが広がるベッドに身を投げた。