するとアキの前に大きな人影が立ちはだかった。


アキが顔を上げると、目の前にはラヴが立っていた。



「ラヴ…なんでここに?」

「アキのパスポートが無くなっていたんで、ここかと思ったんですよ」



ラヴは安心したような、少し不安そうな表情をしている。




「…あのね、ここに来たら思い出がみんな色褪せて変わってた。…でもね、あたしの中にあるラヴとの思い出は綺麗だったの」



そう言って泣き出したアキをラヴは優しく抱き締めた。

そんなラヴを抱き返すアキ。




「…やっと抱き締めてくれましたね」

「ごめんなさい!ごめんなさい、ラヴ……大好きなのに…ずっとラヴだけ愛してるのに!!」





アシュリーが好きだと嘘をついて

大切な彼を裏切った。




ごめんね、ラヴ。

あなたの事こんなに好きなのに、大切な子ども達を手放したくなかったんだよ。



大切だと思う気持ちはラヴの方が強いのに。


そうわかっていたのに…





「ラヴ…あたしの事嫌になった?」



ラヴは首を振る。




「嫌になったらここにいませんよ。アキ…I love you…so much」



ラヴがそう呟いて笑うと、アキは顔をぐしゃぐしゃにして泣き出した。



闇に覆われていた自分の世界が、また光に満ち溢れたから。



アキはラヴの“I LOVE YOU”と言う言葉が自分の全てだったから。


涙が止まらなかった。






ラヴとアキは柔らかい風を感じながら抱きしめ合っていた。