一時間も早く目が覚めてしまった。



 外はまだ真夜中のように真っ暗だ。



『嫌な夢だった……』



 確か昨日は別れ際に一条と甘い時間を過ごしたはず。


 それなのに何故このような縁起でもない夢を見たのか……。


 急激に汗に体温を奪われて、奈央は身震いすると、これ以上寝られないとベッドから抜け出して、汗まみれの寝巻きを脱ぎ捨てた。



 熱めのシャワーを身体に浴びると、だんだん頭が冴えてくる。




 夢は頭が活性化してくれば徐々に記憶も薄れるが、先程の夢は奈央の脳裏にはっきりとこびりついていた。