ヴァルキュリア イン キッチンⅡeternal

 それからなし崩し的に困惑する奈央を尻目に一回払いのキャッシュでこのマンションを購入した。



『一体……どういう金銭感覚してるんだか』



 奈央はそれからもともと自分が住んでいたアパートを引き払って、このマンションに越してきた。



 始めのうちは空間の広さの違いに居心地の悪さを覚えたが、住めば都とはまさにこのことだと自分を納得させていた。




 一条は仕事の関係上、ホテルにある自分の部屋を基本住居としているが、こうして一週間の半分はこのマンションで奈央と半同棲生活を過ごしていた。




「さてと、私も仕事行かなきゃ」




 奈央はシャワールームのドアを開けて、恋人の浴びた後の余韻に頬を緩ませながら蛇口をひねった。