「す、すみません……私、子供みたいってわかってるんです」



「ああ、ガキみたいだな」



「だから、こんな私見られたくないんです……一人にしてもらえませんか?」




 見下ろす一条の視線が痛い、身を庇うように奈央は両腕で身体を掻き抱いた。




「何か言いたいことあるんだろ? 何なんだよ」




「……すみません、今日は一人になって考えたいんです」



「……」



 苛立ちを含んだため息が、頭の上から降ってくる。



「俺は面倒くさい女は嫌いなんだ、じゃあな」



「ッ!……」



 その言葉に奈央の身体が雷に打たれたような衝撃が走った。



 すぐさま後悔して俯いていた顔を上げた時にはすでに一条の姿はなくなっていた。





『馬鹿だ……私』


 何度も何度も自分自身を責め、その度に自己嫌悪に陥る。