荒々しく乱れた呼吸を整え終わると、一条は奈央に覆いかぶさっていた身体を反転させて背中からベッドに身を投げ出した。

 見るとまだその胸板が大きく上下している。



 淫蕩な余韻に未だ刺激されているかのように一条は目を閉じて、形の良い眉を歪ませていた。


 奈央は密かにこの瞬間の彼の表情が一番セクシーだと思っていた。



 弛緩していた四肢が徐々に柔軟になってくると、喉を潤そうとペットボトルの水に手を伸ばした。



「きゃ、も、もう」



 伸ばしかけた手を一条によって阻まれる。


 そしてそのまま胸元へ引き込まれてしまうと、渋々奈央もされるがままになる。



「朝までこうしてろ、目が覚めた時に……隣に誰もいないのは虚しいからな」



 奈央はそれに応えるように頬を一条の胸板に摺り寄せると、お互いを求めあった熱の残滓に奈央は急に恥ずかしさを覚えた。