「おい、いいのかよ……獲物逃げちゃったぜ？」


「……いいの、もう私には関係ないから」



　奈津美は奈央が出て行った気配を感じながらベッドから降りるとガウンを羽織った。



「紗矢子さん、怒るんじゃねぇか？」



「怒らないわよ、だって……コンテストに参加させない目的が達成できれば、それでいいんだもの……私の役目はもう終わったの」