奈央は徐に携帯を鞄の中にしまい込み、ふと窓の外を見ると、深々と雪が無音で降り続いていた。

 一向に止む気配もなく、あたり一面雪が覆い被さっていた。



 雪が重みでドサりと落ちる音以外物音ひとつしない部屋だった。


 どうやらここには自分一人しかいないようだ。

 部屋の外に出ると、生活感のないリビング、うっすらと埃かぶったテーブルがあった。


 ここが一体誰の部屋なのか、今の奈央にはどうでもいいことだった。