―――やっぱり友達になんてならなければ良かった。



 高校の卒業式で紗矢子はたった一言奈央にそう言った。


 それから数年、紗矢子と連絡が取れなくなった。


 けれど偶然にも紗矢子からある日電話がかかってきて、久しぶりすぎて本当はかなり動揺していた。


 奈央は最後に紗矢子に言われた言葉をどうして今まで忘れてしまっていたのだろうかと落胆した。


『そう、確かにあの時紗矢子は私にそう言った。ものすごくショックで……ショック過ぎて……忘れよう忘れようとするうちにあまり気にならなくなって、時間が解決してくれたんだって、そう思ってた』