「コンテスト、楽しみですか?」



「それはもう、何日も前から準備してたから……」



 奈央は笑顔で答えるが、それとは裏腹に奈津美が抑揚のない口調でぽつりと言った。



「残念ですけど、あなたは……アルバンホテルにはたどり着けません」



「……え?」



「そこでおとなしく眠っていてください、起きた時には多分もう……」



「奈津美……さん? どういう……こ……と?」



 奈央は頭の中が真っ白になっていくのを感じながら、自分が何を喋っているのかさえわからなくなっていた。


 視界が霞んでくるとそのまま身体の力が抜けて、バックシートにどさりと身体を横たえた。