「……え?」



 奈央はアルバンホテルのエントランスロビーでしばらく待っていたが、一向に一条が現れる気配がない、携帯に電話をしても繋がらなかった。



 会食の行われてりるフロアにあがり、エレベーターのドアが左右に開いた時、その先で見た光景に思わず凍りついた。



 一条は遠くで奈央の声を聞いたような気がして、我に返るとガラス窓にぼんやりと映る奈央の姿が目に入った。