「私、自信ないんです! だって、一条さんは……やっぱり私とは釣り合わない……いつも自分のことだけ考えて欲しいって、どんどん欲張りになるんです、けど―――っ」



 奈央の言葉を遮るように一条が奈央の身体を掻きこむようにして抱きしめた。


「私、きっと嫉妬してるんです……こんな醜い気持ちで……一条さんの傍にいられない」



「それ以上馬鹿言うと本気で怒るぞ」



 抱きしめた身体を少し離すと、一条の双眸が鋭利な刃物のように奈央の胸を射抜いた。



「離してください……」


「離さない」



「私、帰りますから―――んぅっ」



 そむけた顎を掴まれて強引に奈央は唇を奪われた。



「お前もう黙れ……帰さない」


「い、一条さ……」