本当のキミ

三階…
もうヘロヘロ…

っていうかペースはや…

そんな私にやっと気づいた様子で
15段分くらい駆け下りて私のところへ来た。

「わりぃ…速かった?」

はぁ…はぁ…

少し睨むと

「いや、菫速そうだったし…うん…ごめん。」

みんなそういうわよ…
スポーツは無理なの!

って、心の中で反論してるけど
言葉に出せるほどの気力がない
普段自分のペースでもへとへとなのに
こんな速い私にとっては小走りのペースでずっと上り続けたんだもん
きつい…

そんな私に申し訳なさそうに

「ごめん…ここでいいよ。座って。」

と、タオルを階段に敷いてくれた。

少し落ち着いた後

『ありがとう…タオル持ってるのね。』

私が言葉を発して今まで心配そうに見ていた顔が
一気にホッとしていた。

「ああ、いつでも、持ってないと怪しまれそうだしな。」

軽く笑って答えた。