本当のキミ

私の声を聴いて
周りの子を丁寧に押しのけて


「ちょっといい?」


と私に視線を合わせていった。

?…何?

不審に思ってるけど
ニコリと笑って

『わかりました。いいですよ。』

夏向は私がついてくるのを確認すると
歩き出した。

私は
思い出したように水姫たちのほうを向いて
『ちょっと、行ってくる!』

とだけ言い残して小走りで
夏向、いや今は春奈か…
について行った。