本当のキミ

廊下を通って
2-7のプレートを一瞥して

その教室に入った。

ガラッ…

いつもどおり騒がしかった。

まあ、少し違うのは菅原君が私が入ってきたのを見て
一瞬顔を赤くしたぐらい。


私はそれに気づかないふりをして
自分の席に向かった。


窓側の一番後ろ
すごくいい席、観察するには。

その席に向かって歩いているとき
急に目線を感じた。

冷たい目線。

どこからかはわからないけど…
少し怖いと思ったけど
そのまま席についた。

その途端、

「菫!!」

いつものように私の名前を呼ぶかわいい声が聞こえてきた。

その声に顔を上げ

『水姫!』
と私も叫んだ。