本当のキミ

「かーなーたーーー!」

後ろからすごい勢いで
首にラリアット(プロレス技の一種)をくらった。

『っごぶ!』

思わず手をついてこけた。

『いってーな!なんだよ、悠真!』

そう、俺に思いっきりラリアットをしたのは
倉崎 悠真(くらざき ゆうま)
俺と同じときに同じフロアに入った同じ年
自然と仲良くなった。

こいつは、明るくてバカな奴?
自分で、元気とバカさが取り柄って言ってるからな
まあ、だからこそあんときの俺には
心地よかったのかもしれないけどな…

ただ、今のはひどい!
俺は悠真をキッとにらんだ。

だかそれを全く無視してニコリと笑い
「おっす!」

と言いながら、俺に手を差し伸べてきた。
てめーが倒したんだろうが!

と思いつつその手を取って起き上がった。

ホコリを掃って悠真の顔を見ると
にやにやと笑っていた。

「なぁー…昨日の子誰だよ~」

はぁ?