本当のキミ

私がターゲットを待っていると、
周りがきゃーきゃーうるさくなってきた。

ぁ…
ターゲットが来たみたいね。
もっと調べるために、仲良くならなくちゃね。

あ、そだ!言ってなかったけど、ここは学校
貴佐渡南高校(きさとみなみこうこう)。

っとそこでターゲットがそこまで来ていた。

よしっ!行動開始!
私は急いでいるかのように走って
ターゲットに向かっていった。


『「きゃ!!」』

私と、坂下春奈の声が重なった。
と同時に私と彼女はしりもちをついた。

「いたた…」

唖然としていた周りも彼女のその言葉で一気に我に返ったらしく
大丈夫ですか!っと駆け寄っていった。

私ははっとしたように駆け寄って、

『す、すいません!だ…大丈夫ですか?』

そういうと、彼女が何か言いかけた、
しかしほぼ同時に周りにいた一人の女の人が彼女と私の間に立ち、
私をにらみながら

「大丈夫なわけないでしょ!春奈がけがしたらどうするのよ!
 ちゃんと前見て歩きなさいよ!」

と私に怒った。

…何よ、心配してるふりして
ほんとは坂下春奈に気に入られたいだけのくせして。

…と思ったけど

『ほんとにごめんなさい!』


と必死に泣き出しそうな顔で必死に謝った。
坂下春奈がすぐに私の前に来て

「大丈夫よ!私もあまり前を見ていなかったから…」

そして申し訳なさそうに私にハンカチをだして
「あなたこそ大丈夫?」
とやさしく笑いかけた。
私は嬉しそうな顔で笑ってハンカチを受け取って

『ありがとうございます!』
と深々と頭を下げた。


そういった私にやさしく笑いかけ
くるっと向きを変えて
さっき私に怒った人にむかって

「私を心配してくれたのは嬉しい、ありがとう」

といって笑いかけたのが、近くに止まってる先生の車のミラーで分かった。

すこし怖い顔になって

「でもね、この子だけが悪いかな?
 頭から叱るのはよくないと思う。」

と一通り叱って、
しゅんとしてるその子に向かって
やさしく微笑み
「心配してくれてありがとう」
と静かにいった。


それを黙ってみていた周りは、わー!さすが春奈先輩!とか
優しすぎるー!とかそんな賞賛の言葉でいっぱいになった。



私は冷めていたけど…
まあ、なんでもいい話にしちゃうのね。
あーすごいすごい!っと心の中で皮肉っぽくいっていた。

そう思っていると彼女がまた私のほうを向いて
「あなたも気を付けてね?」

っと笑いかけた。

はいっ!と笑おうとしたら、
突然彼女が、

「あ!」
っという彼女の大声にかき消された。

びっくりしながらおずおずと
『あの…ど、どうしましたか…?』
と聞くと

突然私の腕をつかんできた
その行動にびっくりしてつい


『ひゃっ!』
と変な声を出してしまった。

その声に少し驚いて我に返った様子で
「あ、ごめん!腕、けがしてる。」

といった。
えっ…
と思いつかまれた方の腕を見ると
確かに少し血がにじんでいた。

『ほんと…だ。』

最悪、という言葉はのみこんで代わりに
『これくらい大丈夫です!』

と言ってニコッと笑った。

私の笑顔に少し安心した顔をして
「よかった、でもやっぱ保健しっ…{キーンコーンカーンコーン}
おそらく保健室いった方がいいんじゃない?
と言おうとしたであろう瞬間にチャイムが鳴った。

そのチャイムで周りがみんなあわてて校舎に走り出した。

それはそうだろう、このチャイム
授業始まり5分前のチャイムだもの、

まだ校舎にも入っていない私たちは、やばいってわけだ。

そうして、私はチャンスとばかりにこう言い放った
『わ!急がなくちゃ!
 先輩も遅れちゃう!今日はほんとにすいませんでした!』

彼女が何か言いかけてるのが横目で見えたけど

無視というか見えないふりして校舎まで走った。