本当のキミ

『電話は…』
{ずっと、してるんだけど…出なくて。メールにも返信無くって…どうしよう…}

今にも泣き出しそうな水姫のお母さんの声に焦燥感がつよくなる。

『………私、探してきます。』
{すみれちゃっ……}

ブチッ…

私は電話を切って駆け出した。

「あ、おい!」

背中に夏向の声を聴いてつい振り向いた。

「どうした?」

目を見開きびっくりしているのがわかる。

『水姫が…水姫がいなくなっちゃったの!探さなきゃ!』

そういうと夏向の目が少し鋭くなって

「俺も探す。」

とだけ言って扉へ駆け出した。

私も後に続いて駆け出した。


どうしよう、どうしよう…
なんで、すぐ追いかけなかったんだろう。

水姫…

「大丈夫だから。」

『え…』

上から降り注いだ声は自分でも驚くほど安心感を覚えた。

『うん!』