―――――――

――――――――――


『水姫がいなかったら私、もっと最低な人間だったと思う。』

一通り話し終えて私は夏向を向いて少し笑った。


夏向はずっと私を向いて静かに聞いてくれていた。

ぎゅ…

『ふっ…う……』

夏向が優しく抱き締めるから…
涙が止まらない。

「話してくれて、ありがとう。」

涙声の夏向が優しく優しくそうつぶやいた。


夏向のばか…
これ以上泣かさないでよ…

『うぅ~…ヒック、ヒック…』

大きな温かい手が私の髪の毛をなでる。

「我慢すんなよ…いくらでもなけよ。」

あったかい。あったかいよ…


ありがとう。夏向…ありがとう。