本当のキミ

ざわざわと騒がしい食堂の中で、私はかのんちゃんをすぐに見つけた。


私のことを先生に言いに言ってたんだ…


どこかにそんな思いを秘めながら、覚悟を決めてかのんちゃんの方へ向かった。

「ぁ…菫ちゃん!」

私が声をかける前に、かのんちゃんが気づいてこちらへ走ってきた。

その行為がいつもなら、うれしいはずなのに、今は煩わしい。

心の中では、“迷惑”って思ってるんでしょ?

そんな黒い感情が私の中の何かを確実に壊していっていた。

『なんで…?信じてたのに……!』

「…ぇ……?何…が?」

少し戸惑ったかのんちゃんの表情。

あぁ、本当なんだ。
私、どこかでまだ信じてたんだ。そんなはずないって。


『私の事…迷惑だと思ってるなら、そういってよ!』

「え!?そんなこと思ってな…」

『言い訳なんて今さら聞きたくない!もう、裏切られるのなんてごめんなの!』

気が付いたら私は泣きながら走ってかのんちゃんから逃げていた。

「菫ちゃん…!」

かのんちゃんの声を背中に聞きながら。