本当のキミ

「早野さん…?」

心配そうに私を見つめている先生。

25歳の新人の女の先生。

『先生、どうしたんですか…』

本当にわからなかった。

「どうした…って…学校にずっと来てないのよ?先生、心配で…」

“しんぱい”

その言葉に背筋がぞっとするのを感じた。

私は冷めきった顔で言った。

『心配ってなんですか?じゃあ、電話でも何でもすればよかったんじゃないんですか?無断で休んだ時点で電話すればよかったじゃないですか。』


そうでしょう?という意味を込めて微笑むと

「そ…れは……」


先生の顔に浮かんでいたのは、紛れもなく恐怖だった。
私のことを怖がっているのが目に見えて分かった。

弱いやつ。

「…お母さん……は…?」

びくびくしながら震えた声で聴いてきた先生に私はさらりと言った。

『出てったんです。子育てに疲れたんですって。』

「…え!」

目を見開いて驚く先生。

『ふっ……あははははははははははは!!!!!』

先生は急に腹を抱えて笑い出した私を見て一瞬硬直したとおもうと目に涙を浮かべて、走ってどこかへ行った。