本当のキミ

夏向は手紙を閉じると同時に涙を流した。

こうなることは、わかっていた。
夏向ならそうしてくれるだろうと…

確かに、この手紙の内容を思い出すのはツライ。

笑っていたころを思い出したくない。
いい思い出が逆に私を押しつぶす。

夏向は私を見て、震えた声で聞いてきた。

「お父さんが出て行ったって…」

『あぁ、私が幼稚園にいるときなんだけど…普通に出て行ったまま、帰ってこなくなったみたい。だから、片親で…お母さんが出て行って私は一人になって、狂った私は、学校も行かずに一人で家にいたの。』

「そうか…。続き話せるか…?」

小さく首をかしげて遠慮しながら聞いてきた。

私は少し微笑みながら

『うん。』

はっきりうなずいた。


言うって決めたんだから…