本当のキミ

「す、みれ…」

かすれた声で、名前を呼ばれた。

それすらも愛おしい。

「ありがとう…でも、俺は、殺したんだ……。生かされてんだよ…。」

…………

私の言葉、ひびかないのかなぁ…

…んー…
なんか、むかつく…
私が初めて、心から頑張ったのに…

「いでッ!」

ほっぺをグイっとひッぱってみた。


「ひゃひひゅんひゃひょ!」

軽い涙目で、訴えるように発しる。
私は笑いをこらえて、軽く睨んで

『何すんだよって…?いい加減ぐだぐだしてんじゃないわよ!あなたは、春奈ちゃんを一生の苦しみから守ったのよ!それだけ似てる双子だもの、お母さんに言われたことも悩んだと思うわ。…もーー!何言ったらいいかわかんないじゃないの!』

「いだい!いだい!」

逆切れしながら、指に力を込めると、夏向が悲鳴を上げる。

夏向のほっぺから手を放すと、ほっぺをさすりだした。
そんな、夏向から視線を外して。

『とにかく…、罪悪感を持つんじゃなくて…感謝しなさいって言ってんの…』

「…」

夏向からの反応がないので不安になって振り向こうとしたら…

『きゃッ…』