まだしっかりしない頭で、ここにいるのは夏向で塾にいたのは春奈だって伝えなきゃって思った。
『かぁさ…』
ぎゅッ…
言おうとしたとき、母さんが腕の力を強めた。
そして、つぶやいた。
「あなたじゃなくてよかった…」
『…え?』
聞き返すと今度ははっきりと…
「死んだのがあなたじゃなくて本当によかった…春奈…」
いつもと同じ優しい声で、肩を震わせながらはっきりと俺に言い放った。
『どういう、事……?』
俺の判断間違いを期待して、聞いた。
「私は夏向よりも、春奈の方が大事なの…!」
ビシッ…
何かが壊れたかのように、俺は急に冷静になった。
あぁ、今、母さんが俺の顔見れなくてよかったな。
きっと俺、何も隠せない。
俺は、一日で3つのものを失ったのか。
夏向、の存在。
何よりも大切で大好きだった。姉。
そして…
信じて疑わなかった、母親からの無限の愛情。
『かぁさ…』
ぎゅッ…
言おうとしたとき、母さんが腕の力を強めた。
そして、つぶやいた。
「あなたじゃなくてよかった…」
『…え?』
聞き返すと今度ははっきりと…
「死んだのがあなたじゃなくて本当によかった…春奈…」
いつもと同じ優しい声で、肩を震わせながらはっきりと俺に言い放った。
『どういう、事……?』
俺の判断間違いを期待して、聞いた。
「私は夏向よりも、春奈の方が大事なの…!」
ビシッ…
何かが壊れたかのように、俺は急に冷静になった。
あぁ、今、母さんが俺の顔見れなくてよかったな。
きっと俺、何も隠せない。
俺は、一日で3つのものを失ったのか。
夏向、の存在。
何よりも大切で大好きだった。姉。
そして…
信じて疑わなかった、母親からの無限の愛情。
