…中二の秋…


ガチャッ

『ただいまーー!』

玄関から元気よくさけんだ。

「あ、夏向!お帰りっ!」

俺とよく似た通る声がリビングから帰ってきた。

俺は靴を脱いで、リビングに向かった。

『春奈!、母さんいる?』

ソファーに座ったまま、俺の方に顔を上げて
俺の双子の姉、春奈が答えた。

「ううん。いないよっ!買い物中ー!」

俺は軽くガッツポーズをして、荷物を降ろしながら春奈に頼んだ。

『今日、代わってくんない?』

そういうと、少し目を輝かせて

「え、なに!なんかあったっけ?」

『今日、塾でさ…英語テストなんだよなぁ、最近部活忙しくて勉強してなかったから…さ』

そういうと、見ていたテレビを消して、
ソファーから飛び降りると

「しかたないなぁー!代わってあげよう!その代り、数学は任せたわよ!」

さも仕方なく、やってやる、とでも言いたげに言った。
俺より楽しみなくせにっ!

『頼んだぜっ!』

そう言って、お互い慣れた手つきで準備に取り掛かる。