本当のキミ

………

よかったはよかったけど…

本当に恐ろしい…

さっきから、その…木谷さんを懲らしめる方法を考えてんだけど…
菫がたまに吐く言葉がどれも怖い。

「やっぱり、徐々に苦しみを与える?いや、覚悟ができる前にいきなり恐怖へ…」

とかぶつぶつぶつぶつ…
相当怒っているようだった。

しかし、しばらくした後急に顔を上げてはっとしたようにつぶやいた。

「あ…証拠がない……」
『あ、そうだな…』

今まで考えなかったけど、証拠がなければはぐらかされてしまう恐れがある。
それどころか、逆にこっちが悪者に代わってしまうかもしれない。

そんなことをない頭で考えていると、
ふいに菫がつぶやいた。
「ま、とりあえずこの件は、ほおっておいて。今は……」

『?…今は?』

首をかしげた俺を軽く睨んで

「水姫の事よ…。なんて言おう…」

あぁ…、そうだった。その事件もあった。

もとはと言えばこの事件は、俺が原因でもあるんだよな…
菫は、こっちの方がきついらしいし…
菫が困ってるのは見ていられない。

そして俺は覚悟を決めた。