本当のキミ

『あぁ…俺が腕を…』

俺はさっき会ったことを全部話した。

聞き終わった菫は少し考えるしぐさをして。

「…水姫が反応したのはたぶん、同じクラスの木谷　実莉(きたに　みり)さんよ。」

俺は知らない名前だった。

『でもなんで…』

菫は軽く下を向いて
「それは、たぶん落とした人なのよ…私を」

『え！？』

衝撃的すぎる一言だった。
しっかり頭が真っ白だ。
なんとか持ち直してやっとこの疑問が浮かんだ。

『なんで…？』

菫はため息をつきながら

「木谷さん、菅原くんの事が好きなのよ。」

は？菅原…？どっかで聞いたことあるような。
あ…

『え…お前に告白した？』
「そ。」

それだけで…犯罪を？
女って怖いな…

あれ？
なんで菫は菅原の事を好きって知ってたんだ？
相談でも受けてたのか？

そのまま聞いてみると…

「は？クラスの人の好きな人くらいわかるわよ。」

さも、当たり前のように言われた。
俺がおかしいのか？
いや、そんなことはないはず…

こわいな、こいつ。